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2019/12/27

中小企業でも成果が出やすいプレスリリースのやり方・書き方

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成果を出しやすいプレスリリースをつくるためには、ちょっとした工夫が必要。ですが多くの企業はその工夫を意識せずに書き続けています。そこで今回は広報・PRの専門家、玄真琴が、成果を出すための工夫を具体的に語ります。

中小企業からのよくある質問

たまにプレスリリースを打っているのですが、一件も問い合わせがなく、正直、やる意味があるのかわからなくなっています。効果が出やすいプレスリリースの方法はあるのでしょうか?

この質問に回答する専門家

玄 真琴さん画像

逗子葉山経済新聞

編集長

玄 真琴

上智大学文学部新聞学科卒業。放送作家出身。ラジオ、テレビ、雑誌、Webなど多くの媒体や企業の広報で活動。2018年4月~「みんなの経済新聞ネットワーク/逗子葉山経済新聞」編集長。

目次

見出しアイコンプレスリリースを書く前に知っておきたいこと

プレスリリースの意味
プレスリリースはその言葉の意味の通りに解釈すれば、プレス=報道機関に宛てたリリース=公開する、発表する、ということです。この言葉が使われ始めた頃は、「報道機関」とは大手新聞社、大手通信社、大手ラジオ局、大手テレビ局を指していましたが、現在は「大手」に限らず、発信するツールを持つメディア全てを考えるべきでしょう。
そのため、「プレスリリース」ではなく、「ニュースリリース」と呼ぶことも多くなりました。自社のHP上に「ニュースリリース」という項目(ページ)を作り、そこに発表していくだけの場合もあります。情報を欲しいメディア側が情報を見つけにいく場合もあるということです。
しかし、積極的にニュース・情報を発信したい場合は、発信している媒体に「プレスリリース」を送ることが基本です。

これから紹介する「リリース」はメディア媒体を想定した「プレスリリース」と捉えてください。そして「リリース」は、自社の情報を開示する大事なツールと考えましょう。「リリース」がなければ新商品も新情報も世の中には出ないと思うくらいの気持ちが必要です。

見出しアイコン成果の出やすいプレスリリース。「書く」工夫。


プレスリリースを書く際にできる工夫は2つあります。 以下に具体的な手法を織り交ぜながら、紹介していきます。

正確な情報を集める。どこが新しいかを明確にする。
世の中に発信したい新しいコト・モノができた時、まずそのコト・モノの「基本情報」と「写真(画像・動画)」が必要です。それは担当者から正確に受け取りましょう。ここで最低限重要な要素は2つです。なによりも「正確さ」です。次に「どこが新しいのか」です。
リリースはA4サイズの紙1枚が適当な分量です。それ以上になる場合は「別紙」「参考資料」としてください。
例えば、新しい社長が就任したとしましょう。基本情報は名前・読み・英語表記・就任年月日・生年月日です。ほかに社歴、前職、家族構成、趣味、交代理由、新社長からのメッセージ、社長交代で会社の何が変わるのかなど、何をどう公表するかは会社の「戦略」に関わりますので、担当部署と綿密に相談・確認してください。
社長の写真も、真面目な免許証のような写真が適切か、誰かに話しかけているような写真が適切か、検討する必要があります。

続きを質問したくなるタイトルをつくる。
「基本情報」の次に「タイトル」です。キャッチになるような短いPR文(言葉)を練り上げましょう。「〇月〇日 新社長○○○○(よみ)就任」←これは事実ですね。ここにメディアが目を留めそうな言葉を入れます。例えば「歴代最年少の」とか「新社長の公約は3つ」などの短い言葉、あるいは「職人気質の頑固なオヤジで品質向上間違いなし!期待の大きい○○新社長60歳」「趣味はフルマラソン。新社長の最初の仕事はランニング部創設」など1文を添えても構いません。メディアがその続きを質問して記事にしたくなるような内容を考えましょう。

見出しアイコン成果が出やすいプレスリリース。「送る」工夫。

納得のいくプレスリリースが書けた後は、メディアを選んで、送信。といきたいところですが、その前にできる工夫があります。
まず送る方法です。メール、ファックス、郵送です。あるいはリリース配信専門会社を使う、です。時間と手間をかけることができるならば、送信の前後に電話を入れると情報が目に留まるケースは大きくなります。必死さも伝わりますね。
そして、プレスリリースを受け取ったメディアがおこすアクションは大きく分けて2つ。一つは、プレスリリースを見て、記事にする。もう一つは、改めてプレスリリースを発信した企業に対して取材を申し込むケース。このメディアの動きを踏まえて、以下のポイントをぜひ実践しておくと効果的です。

関連する画像を複数枚添付する。
メディアが記事を作成するときに必要な材料は写真(画像)です。そのためメールでプレスリリースを送る場合は画像を必ず数枚、添付しましょう。関連サイトのアドレス、担当者の部署・名前・直通電話番号・メールアドレスは必須です。

記者発表の機会を設定しておく。
最初からリリースの文章の中に「記者発表」の機会を入れ込めば、そこに一斉にメディアを集めることもできます。この方法は手間とお金がかかりますが、メディアが取り上げる可能性はかなり高くなります。

見出しアイコンプレスリリースの先を考える

プレスリリースを1枚の紙にまとめ、あるいは情報をメール本文に書き込んで媒体のメールアドレスに送ることは費用もかからず、垣根も低いです。私のところにも日々送られてきます。その際、リリース配信専門のサイトから「報道機関各位」で送られてくるリリースと、直接、媒体名を入れて送られてくるリリースとどちらを優先して読むと思いますか。

プレスリリースを送る媒体(プレス)の特徴を確認し、特徴に合わせた情報を送る
1枚のリリースで、文章が上手でなくても熱意が伝わってくるものがあります。大手メディアに取り上げてもらいたいのか、地域のメディアに取り上げてもらいたいのかも一考すべきです。大手メディアで取り上げる方法と地域メディアで取り上げる方法は違います。地域メディアはいかに地域に寄り添うかを考えています。新社長が地元出身、あるいは地元に貢献しているなどの背景があれば、大手よりも深い記事を掲載するはずです。
どんなメディアに新しいコト・モノの何を取り上げてもらうのか、検討しましょう。

プレスリリースは「発信のきっかけ」だということを忘れずに
最後に大切なことは、リリースを読んだメディアはホームページなどで内容を確認します。リリース内容が貴社サイドできちんと発表できるタイミングになっているか、慌てずに整えてください。リリースを出すことがゴールではありません。始まりです。

専門家紹介


玄 真琴さん画像

逗子葉山経済新聞

編集長

玄 真琴

専門分野

□ 地域・企業・個人の魅力を引きだし、文章化するライティングと発信。またその魅力をもとに行うマッチング。

自己紹介

大学時代からラジオ・テレビなどの主に情報番組の放送作家として約20年。その後、企業の広報に携わり、リリース作成・HP作成など行う。フリーライターとして雑誌やWEB媒体での仕事を重ねたのち、2018年4月「みんなの経済新聞ネットワーク」(本部=渋谷)から「逗子葉山経済新聞」を創設。ほか、自分史活用アドバイザー、笑顔トレーナーとしても活動。

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