情報化・IT活用
2020/5/16
中小企業がまだ慣れない、WEB会議をもっとスムーズに進めるためのやり方
2020年、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワーク導入が急速に進んだこともあり、WEB会議を使うシーンが増えてきました。一方で、うまくつながらなかった、声がよく聞こえなかったなど、思わぬトラブルで会議に参加できなかったという話も耳にします。今回は、中小企業がWEB会議を利用する際のスムーズな進め方について、ITとマーケティングのスペシャリストきさたに経営法務事務所 代表の木佐谷康氏がご説明します。
中小企業からのよくある質問
テレワークや営業効率化のためにWEB会議をもっと利用したいと思っているのですが、良い使い方のコツなどあれば教えてください
この質問に回答する専門家

きさたに経営法務事務所
代表
木佐谷 康
登録25年以上に及ぶIT業界でのマーケティング、新規立ち上げの実績とジャスダック上場企業役員としてのマネジメント経験をベースに、IT利活用とマーケティング分野を中心に支援している。
目次
WEB会議を活用して働き方を刷新!
WEB会議はテレワークの必須ツール
自宅や外出先でも会社と同様に仕事ができる「テレワーク」は、働き方改革の広がりとともに普及してきました。従業員同士が離れて仕事をする際に、電話やEmailだけでは今までのようなコミュニケーションはとれません。そのため、複数が参加するミーティングや1対1の報告でWEB会議が利用されているのです。
一歩進んで営業ツールとしても活用
WEB会議は、社内コミュニケーションだけでなく、お客様との商談やセミナーなどに利用されるシーンも増えてきました。商談では移動時間を短縮でき、セミナーでも、参加者は自宅や自席にいながら受講できます。また、録画しておけば、商談時の発言内容の確認やセミナー動画をYouTube等で配信することもできます。うまく活用すれば、有効な営業ツールになるのです。
WEB会議に参加するには
そもそも、WEB会議とテレビ会議は違うの?
WEB会議とテレビ会議の厳密な定義は無いようです。ただ、一般的にWEB会議はパソコンやスマホを使用して特定のサーバ経由で接続するのに対し、テレビ会議は専用機器で直接接続する方法が採用されています。ノートパソコンやスマホを利用すれば、どこからでも接続できることから、WEB会議が急速に広まっています。
WEB会議に参加するには何が必要?
WEB会議に参加するうえで最低限必要なものは、パソコン、タブレット、スマホなどのインターネットに接続できる機器と、インターネット回線です。タブレット・スマホに関してはカメラやマイクが付いている機種がほとんどですが、パソコンはそうとは限りません。また、パソコン内蔵のマイク、スピーカーを使用すると、スピーカーの音をマイクが拾ってハウリングを起こすケースがあります。そのため、WEBカメラやヘッドセットを用意しましょう。なお、スマホ用のイヤホンマイクでも問題ありません。
社内会議をWEB会議で始めてみよう
WEB会議サービスの選び方
zoom、Skype、Google Meetなど、数多くのWEB会議サービスが提供されていますが、選ぶ際の一番のポイントは、やはり音声と画像の品質です。ほとんどのサービスが無料版やトライアル版を用意しているので、まずは少人数で試してみましょう。また、パソコンに詳しくない人や社外とのコミュニケーションが必要な場合は、専用アプリやソフトウェアのインストールが不要なツールを選択するのも重要です。
WEB会議のためのルールづくり
簡単な決まり事をつくっておくと、WEB会議を順調に進めることができます。「同時に発言しない」「名前を言ってから発言する」などを決めると、会話の重なりや、誰が発言しているか分からない、といったWEB会議特有の問題点を改善できるでしょう。また、音声を録音しておけば議事録を作成することもできます。なお、会議時間を短縮したい場合は、事前にアジェンダを配布する、決定すべき事項を決めておくなど、通常の会議と同様のルールも必要です。
WEB会議をスムーズに進めるためのコツ
WEB会議のコツ① 音声編
WEB会議に参加する際は、発言時以外はミュート機能を利用し音声を消すようにすると、雑音が入らず会議がスムーズに進行します。特に自宅から参加する場合は、家族の会話や子供の声が入るのも防げます。そのほか、会議室等で同じ場所から複数人が参加する場合は、同時にマイクをオンにしているとハウリングが発生するため、ミュートは必須です。セミナー形式の会議では、予め参加者の音声をミュートする機能を持つサービスが有効です。
WEB会議のコツ② 映像編
WEB会議でぜひ使っていただきたい機能の一つが、画面共有です。プレゼン資料やExcelファイルなど、自分のパソコン内のデータを参加者の画面に表示させることができるので、事前に資料を送っていなくても簡単に共有できます。また、自宅で会議に参加する際に、背景に家庭内の様子が映りこむことを懸念する方にとっても有効です。WEB会議サービスによっては、映像の背景にあらかじめ用意してある静止画を映す機能が用意されているので、映り込みを気にする必要がありません。
WEB会議のコツ③ セキュリティ編
WEB会議の普及に伴い、セキュリティ面の不安も広がっています。知らない人の音声が入ってきた、共有している画面にいたずら書きされたなど、不正アクセスによる被害も報告されています。このような被害に遭わないためには、会議室にパスワードを設定する、会議室情報を公開しない、といった基本的な対策が必須です。また、サービスによっては、参加者のドメインを制限する機能や、参加するために主催者の許可が必要になる機能などが用意されています。
業務全体のデジタル化で更なる生産性向上を
今回はWEB会議の基本と活用のコツについてご説明しました。前述した独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査でも、テレビ会議の導入効果として「移動時間の短縮・効率化」「移動交通費の減少」「出張費の減少」といった点が上位を占めています。一方、紙やハンコの文化が残っていると、せっかくのWEB会議の導入効果も半減してしまいますので、業務全体のデジタル化を進めることが重要です。
専門家紹介

きさたに経営法務事務所
代表
木佐谷 康
専門分野
□ おカネのかからないIT利活用
□ 中小企業でも取り組めるマーケティング・販促
□ 補助金・助成金の活用と資金調達
□ 成功確率の上がる事業戦略・事業計画策定
自己紹介
25年以上に及ぶIT業界でのマーケティング、新規立ち上げの実績とジャスダック上場企業役員としてのマネジメント経験をベースに、IT利活用とマーケティング分野を中心に支援しています。モットーは、「おカネのかからない」「中小企業でも活用できる」を重視した伴走型支援です。
生まれ:1961年、在住: 東京都中野区、趣味:スポーツ観戦
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