情報化・IT活用

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2020/1/31

RPA導入で失敗しないために!導入する際に気を付けるべきポイントとは

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RPAとは、Robotic Process Automation の頭文字を取ったもので、ロボットによる業務自動化などと呼ばれています。
ロボットと聞くとpepperなどを想像されるかもしれませんが、RPAはパソコン用(主にWindows向け)ソフトウェアです。そこでRPAをソフトウェア・ロボットやデジタル・レイバー(digital labor)と呼ぶこともあります。 例えば、「自社商品に関する情報をメールやウェブサイトから収集し、Excelに貼り付けて資料を作る」という業務は、RPAを用いることで自動化し、担当者の負担低減を図れるかもしれません。
ここでは、主に中小企業のサービス業を想定し、①RPA導入プロセスについて、②効率化で負担低減から生産性向上や「働き方改革」「人手不足対策」につなげる、③RPA導入のリスクとその対策、などについて技術と経営の専門家・宮髙信之氏が説明します。

中小企業からのよくある質問

生産性向上のためにRPAの導入を検討しているのですが、考慮すべきポイントなどを知りたいです。

この質問に回答する専門家

宮髙 信之さん画像

中小企業庁ミラサポ専門家派遣 登録専門家

認定経営革新等支援機関 経営支援アドバイザー

医療機器開発コーディネータ

宮髙 信之

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目次

見出しアイコンパソコン業務の負担を軽減したい

近年、中小企業のビジネス環境はITの発達により、パソコン作業が増加しています。また少子高齢化による人手不足、採用難、後継者不在による廃業危機といった人材難にも直面しています。 こうしたなか、政府は働き方改革を推奨しており、経営者も様々な生産性向上策に取り組んでいます。

生産性向上とは
生産性を上げるには、より少ない労働量(input)からより多くの産出量 (output)を得ることです。

生産性 = 産出量(output)/投入量や労働量(input)

産出量が増えれば、当然収益も上がります。
また、生産性向上を進めると収益以外にも良いことがあります。
それは環境問題やエネルギー問題への好影響です。同じエネルギー(量)で産出量が増えれば、製品ひとつ当たりのエネルギー量やCO2排出量も相対的に抑えられたことになり、環境負荷、地球温暖化の抑制につながります。
どの程度環境負荷が逓減できたか(エビデンス)を示すことで、顧客から「環境問題に真剣に取り組む企業」として評価されるでしょう。

見出しアイコン業務システムの実態

昨今、多くの業務でパソコンは不可欠になりました。 Webブラウザ、電子メール、Microsoft WordやExcelなどによるデスク作業や、技術者でも3DCADなどで様々な図面を描いているでしょう。 こうした状況に対し、従業員の業務負担軽減を狙って様々なITシステムの導入が始まりました。

簡単には止められないジレンマ
ところが、従業員の負担軽減を狙って導入した社内ITシステムが短期間に乱立したため、却って負担増になってしまっているケースが見受けられます。
しかも、稼働中の業務システムは運用上問題があっても簡単に止めて変更する訳にはいきません。理由は、業務システムが巨大化し、変更に伴う影響を洗い出すことが困難になっているからです。この「簡単には止められない」ことが、「却って業務の負担増」につながっています。
もちろん、社内のシステム担当者は正式運用に入る前に十二分に検討し、想定される業務システムの不具合(バグ)の解決に取り組んではいます。しかし、早く導入するため、関連するシステムとの相性やユーザーの業務スタイルの変化にまで配慮が行き届かなかったなど様々な理由があります。

RPAを試してみる
業務システムに問題を抱えている企業の多くは、各ITシステムの不足する部分を手作業で補うことで、現状安定運用しているような状態です。こうしたなか注目され始めているのがRPAです。
RPAは、煩雑で定型的なパソコン操作を人に代わって実行するアプリケーションとして、期待されています。
簡単な操作であれば、レコーディングrecording機能を使って短時間にRPAに与える指示が作れます。 RPAは毎回同じ操作を正確かつ高速に行うので、ケアレスミスや勘違いなどで操作を誤ることはありません。したがって、頻度の高い定型業務に適用すると効果があります。

資料の作成が目的化していませんか
例えば「自社商品に関する情報をメールやウェブサイトから収集し、Excelに貼り付けて資料を作る」という作業の目的は、成果物から毎月や毎年の状況を分析し、来月あるいは来年の予測を立てて、今後の戦略を考えることです。
ところが、資料作成に追われて、将来の戦略立案まで手が回らないということはありませんか。 このような課題解決に有効ということから、今RPAの導入活用が注目されています。

見出しアイコンRPAによる定型業務の効率化

さて、今回の質問は『生産性向上のためにRPAの導入を検討しているのですが、考慮すべきポイントなどを知りたいです。』とのことですが、わたしが考えるポイントは、以下のとおりです。

1.現状の業務をどのようにRPA化するか、社内でしっかり議論すること。
2.RPA導入により生産性が向上するか、具体的に付加価値がどの程度上がるか、明確にできること。
3.(後述するように)RPAはまだ発展途上のため、歩調を合わせて少しずつ推進すること。

業務プロセス整理
RPA導入に先立ち、現在の業務プロセスをしっかり整理しましょう。
まず顧客と自社の関係を見える化するためにプロセスマッピングを作成して俯瞰してみます。
その中に形骸化してしまっている業務プロセスはありませんか?
組織構成が壁となっている所はありませんか?
そうした箇所は生産性を上げるために、組織変更が必要かもしれません。

RPAは進化の途中
RPAそのものも、日々進化しています。
将来的にはAI(人工知能)を備えて、高度な判断ができるようになると期待されています。しかし、現時点では十分ではありませんから、丁寧に業務プロセスを指示していく必要があります。

例えば、もし資料を作成するためのデータの中に「単位」が抜けていたりすると、人はExcel入力する際「気を利かして」補正しますが、RPAはそのまま入力するか、エラーとして処理中断してしまいます。
このように、人が「気を利かして」業務にあたることで円滑に進んでいるような仕事の場合、RPAが行うと進まなくなることもあり得ます。
RPAには3つのクラスがあります(ただし、「クラス1,2,3」の定義はまだ明確ではありません)。

クラス1:RPA(Robotic Process Automation)
定型の作業を自動化する段階です。「言いつけ通り動くRPA」。ルールベース等という言い方もされます。

クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)
AIを搭載した拡張型RPAという段階。「判断するRPA」です。
画像解析や音声解析、自然言語解析で、手書き文字や写真、動画、音声などを解析してデータ化し、それを機械学習して、判別したり予測したりできるものです。

クラス3:CA(Cognitive Automation)
AIで判断まで完全自動化した段階。「考えるRPA」です。
クラス2に加えて、ディープラーニングを使うなどで、意思決定まで行います。
ただし、意思決定した結果をRPAの責任にする訳にはいきませんから、人が確認して、責任者が最終決定する仕組みを設ける必要があります。
AIが最適な判断を行えるように、判断基準を「教育」しなければなりません。誰がどのように教育するか、も課題です。

RPAを成功に導く
業務プロセスを整理するのは、それに最も習熟した担当者が行います。RPAを導入するときは、その人たちに整理するための時間を整えてあげてください。 そしてRPA化が実現したとき、当初の予想通り生産性が向上したかどうかを確認します。

見出しアイコンLet's do it,やってみましょう

RPAが登場してから、まだ日が浅いですが、様々なRPA導入成功事例の情報がインターネットから容易に入手できるようになりました。 これらのRPA導入成功事例の情報の中に、御社が置かれた状況と似たものがあれば参考になると考えます。
政府は働き方改革・生産性向上を推奨しています。 現下の人手不足の中、「時間外労働の上限規制」が2020年4月から中小企業にも適用されます。これによって時間外労働は原則、月45時間・年360時間に制限されます。

今後益々限られた工数で、高度で多様な業務遂行が求められますが、人手不足では増員もままならず、今いる従業員にさらに負荷がかかります。それが退職の引き金になってはたいへんです。 経営者はこの人材難に対して、解決を図らなければなりません。

働き方改革に取り組む
未来を見通したビジョンに基づき、ITを活用した働き方改革・生産性向上に取り組む必要があります。

答えはひとつとは限らない
加えて、解決策はいつもひとつとは限りません。御社の業務内容によってはRPAと別の方法との合せ技でうまく解決できるかもしれません。

見出しアイコン「RPAで何ができるか」目的を持って、導入を成功させよう

自社の状況に合わせてRPAをうまく導入すれば生産性向上が期待できます。 業務プロセスをしっかり整理し、効果の高いもの・付加価値の高いものをRPA化することでメリットが生まれるでしょう。

単純なパソコン作業をRPAに任せることでできた時間は、社員教育に充て戦力アップを図ったり、付加価値を高める部署の強化に回せば、生産性が向上します。 適材適所のRPA導入により付加価値の増加を実現して初めて「成功」といえるのではないでしょうか。

専門家紹介


宮髙 信之さん画像

中小企業庁ミラサポ専門家派遣 登録専門家

認定経営革新等支援機関 経営支援アドバイザー

医療機器開発コーディネータ

宮髙 信之

専門分野

□ ものづくり(特に電気や基板の製造)

□ 知的資産経営/経営革新

□ ITを活用した経営力強化

自己紹介

技術者と経営コンサルタントの『二刀流』で全力支援
電機メーカーにて電子機器設計エンジニア及びマネージャーとして、コンスーマー商品から業務用システムまで様々な商品の開発・設計・試作・製造・製品評価・サービスサポート等ものづくり技術全般を一気通貫に経験、本社のみならず国内海外(U.S.A)事業所にも勤務。
長年ものづくりに携わってきたエンジニアとしての経験や技術力、及び経営に関する知識を併せ持つ『二刀流』専門家である。
●ミラサポ専門家 紹介ページ
(注)ミラサポのアカウントでログインが必要です

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