販売・マーケティング

販売

2020/3/9

中小企業が価格競争から脱却し、新規拡販を成功に導く方法

[中小企業が価格競争から脱却し、新規拡販を成功に導く方法]トップ画像

中小企業が価格競争に陥らずに利益を確保し、新規拡販を成功に導くためには、何が求められるのでしょうか?そのために必要な営業方法のコツとマネジメントについて考えてみましょう。
今回は営業についてよくある質問に、営業拡販のスペシャリストであるドリームサポート株式会社 代表取締役 中村豊氏がお答えします。

中小企業からのよくある質問

BtoBのサービスで営業活動を頑張っているのですが、なかなか拡販につながりません。価格競争に陥らずに拡販する方法があれば知りたいです。

この質問に回答する専門家

中村 豊さん画像

ドリームサポート株式会社

代表取締役

中村 豊

テンプル大学MBA取得。日系企業で営業として入社後、欧米外資系で営業マネジメント経験。クノールブレムゼ商用車システムジャパン株式会社では代表取締役としてグローバルNo.1賞受賞。

目次

見出しアイコンなぜ拡販が進まないのか?―経営者が抱えている課題や問題点

大手企業では「選択と集中」が進んでおり、今まで社内で行っていた仕事を外注する傾向が強まっています。そのため、案件自体が全くなく困っている、という中小企業は少ない状況です。しかし、増収増益となっている中小企業は多くありません。それは何故でしょうか?

汎用製品や技術の拡販
競合他社が多数存在する汎用的な製品や技術で拡販をしようとすれば、低価格で勝負するしか道がありません。昨今は中国や東南アジアなどの新興国企業の品質も向上しており差別化が難しく、価格競争で勝てる見込みも低くなっています。汎用製品では利幅も少ないため価格要求に応えらず、受注を辞退するケースもよく耳にします。

高い技術要件に挑戦する
優位性のない技術や製品では成長が見込めない として、経験のない新技術や新製品に取り組み拡販を目指す企業もあります。しかし、自社能力の見極めが甘く、顧客要求を満たせずに終わることも多いようです。自社能力の延長線上にある新技術や新製品でないと、成功の可能性は高くなりません。

狙い目は現行顧客への新技術・新製品拡販
すでに信頼関係の出来ている 現行取引先であれば、新技術や新製品に対しても、採用への抵抗感が低いでしょう。新規取引先に実績のない新技術や新製品を持ち込んでも見向きもされませんが、他社で採用されて実績があるものであれば拡販への可能性が高まります。

見出しアイコン新規拡販のカギは企業の“困りごと”

多くの中小企業が頭を悩ませているのが、何をどうやって売り込めばいいのか、ということだと思います。顧客に興味を持ってもらうためには、どのような提案が必要になるのでしょうか?

どの企業も“困りごと”の解決を模索している
どの企業にも必ず困っていることがあるので、その解決策が提示されれば興味を示してくれます。問題を抱えたままということは、他に解決策を提示している競合相手がいないということであり、解決が確実であれば価格よりも納期が優先されます。価格が全く無視される訳ではありませんが、価格交渉もやり易くなるということになります。

どうやって“困りごと”を探し当てるか
それでは、どうやって顧客の“困りごと”を探せばよいのでしょうか?もし顧客の“困りごと”が分からないのであれば、自社で調査をしてみましょう。現場担当者に聞けば、部署を問わず“困りごと”が山のようにあるはずです。また、常に問題意識を持っていて、一番困りごとを抱えているのは経営者本人でしょう。問題解決策をビジネスに変えるという視点を持つと、今までの悩みがビジネスチャンスとして大きな期待に変わるのではないでしょうか?他社が全く同じ問題を抱えている訳ではありませんが、基本的な問題は大抵似ているので、そこにヒントが潜んでいるのです。

見出しアイコン“困りごと”をビジネスチャンスに結び付けるためのマネジメント

自社の“困りごと”を見つけたら、顧客も同じ問題を抱えていると思われるものをいくつか選択し、顧客への解決法を含めた提案を作成しましょう。その際に注意すべきポイントは以下になります。

“困りごと”と自社能力とのマッチング
解決策が魅力的でも、自社にない技術が必要なのでは、成功確率は非常に低くなってしまいます。そこで重要なのは、”困りごと“への解決策と、自社が持っている技術や製品とのマッチングです。コンサルティングをやっていると、企業が考えている強みが、第三者からすると強みとして見えなかったり、企業が強みと考えていないものが、実は強みになることが多く見受けられます。自社の強みについてはSWOT分析を使ったり、第三者目線で自社を振り返ることで、良い提案になるのです。

意外と気付かない自社の強み
ある鋳物型会社(A社)の例です。A社は、高品質を前面に押し出して顧客へ営業をしていました。他社にはない品質面での特徴を持っていたのですが、話を聞いてみると、A社は鋳物だけでなく、鋳造型の設計と製造も自社内で一貫生産していました。通常は発注先⇨鋳造会社⇨鋳造型製造会社という流れで注文が入るのですが、A社の場合は発注先⇨鋳造型製造・鋳造会社となるため、情報のやり取りがスムーズになります。また、鋳造型を鋳造会社に配送したり、途中で発生する待ち時間が大幅に短縮できることから、他社に比べ大幅な短納期対応が可能でした。高品質は当たり前のため評価されなかったのですが、短納期対応を具体的にアピールすることで、試作納期に悩んでいた会社に対して圧倒的な短納期対応+高品質という売り込みが成功し、大きな受注に結び付きました。

見出しアイコン経営者を含め、マネジメント体制の強化を

顧客の“困りごと”と解決策の仮説を作成しても、実際は簡単に結果が出てきません。ここからは経営者を含めたマネジメント体制の強化が必要です。

最初の仮説は的外れになる
顧客の“困りごと”も解決策も、現段階では仮説でしかなく、単なる自分の思い込みでしかない可能性もあります。そのため最初の仮説は的外れになるのが実情です。顧客への提案後、聞き取りにより仮説を修正し、真の“困りごと”に辿り着くまで繰り返すことが重要です。

失敗しても諦めずPDCA(Plan, Do, Check, Action)を回す
何度か仮説の修正をしていると、顧客から新しい発見を得る可能性が高まります。よくあるのが、“そこでは困っていないけど、実は他に困っていることがある”と聞かされるケースです。自分の実体験からですが、諦めずに徹底的にPDCAを回していると、必ず何かしらの光明が見えてきます。

自分も反省するところですが、経営者は結果をすぐに求める傾向があります。しかし、結果がなかなか出ないと、担当者達も経営者同様に苦悩するものです。心が折れそうになる彼らを励まし、経営者が成功を信じて担当者に動機付けを行うのが一番重要なポイントでもあります。多くの中小企業が成功まで辿り着けないのは、数回の失敗で諦めてしまうからのようです。

“困りごと”で気を付けるポイント
なかには、“困りごと”ではあるが、緊急の解決は不要、という場合もあります。こうしたケースでは、試行錯誤をして解決策に目途がついたとしても、ビジネスに結び付かないことがあります。ここは経験値の高いマネジメントによる診断が重要となるでしょう。

見出しアイコン中小企業が提案力を強化するには

外資系企業をみていると、彼らも人脈や取引実績を重視しているものの、技術力や提案力による信頼関係が前提にあることが分かります。それがない場合は、単に価格が安いかどうかが基準の取引になっています。

今後は、中小企業も提案力がなければ、価格競争や顧客との関係だけで生き残っていくのは厳しくなるでしょう。その提案力を強化する方法は、「“困りごと”は何か、解決策は何か」を継続して考え、見つけることだと思います。

最初は上手く見つけられないことも多いと思うので、外部の意見も聞くのも良いかもしれません。私は、多くの中小企業が提案力を強化し、価格競争に陥らずに発展することを応援していきたいと考えています。

専門家紹介


中村 豊さん画像

ドリームサポート株式会社

代表取締役

中村 豊

専門分野

□ まだ登録がありません

自己紹介

テンプル大学MBA取得。日系企業で営業として入社後、欧米外資系で営業マネジメント経験。クノールブレムゼ商用車システムジャパン株式会社では代表取締役としてグローバルNo.1賞受賞。

・この専門家の他の記事をみる

・このカテゴリーの他の記事をみる

Engunのメールマガジンに登録する
Engunの冊子をダウンロードする

Introductionご案内

Engunの専門家に質問する