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2019/11/18

中小企業でも取り組める、効果的なブランディングの手法とは

[中小企業でも取り組める、効果的なブランディングの手法とは]トップ画像

「中小企業もブランドが大事」、「ブランディングに取り組まなければいけない」。このような声があると同時に、「うちの会社には関係ない」「うちの会社では無理」と思われている中小企業の方も多いと思います。
しかし中小企業こそ競争に負けないブランディングを行っていく必要性があるのです。
では実際にどうやったらブランディングはできるのでしょうか。自社のブランディングについて今一度考えてみましょう。

今回は中小企業の広報担当者からの相談に、FML(フードマーケティングラボ)主催代表 楠田 清敏氏がお答えします。

中小企業からのよくある質問

年々、激しくなる競争の中で中小企業も価格競争のみにならないように、ブランディングが大事であることを感じています。お金も限られる中で、中小企業がブランディングのためにできることは、どんなことがあるのでしょうか?

この質問に回答する専門家

楠田 清敏さん画像

FML(フードマーケティングラボ)

主催代表

楠田 清敏

大手食品メーカー等のマーケティングに従事し、現在は公的機関でマーケティング・ブランディングの登録派遣専門家として活躍。FML(フードマーケティングラボ)を主催。

目次

見出しアイコン自社のブランドを発信できていますか


世の中には数多のブランドがあり、その中で皆さんは競争されています。
消費者はどうやって商品を選んでいるのでしょうか。
そもそも「ブランド」とは皆さんどんなイメージを持たれていますか?
またブランディングによって何がもたらされるのでしょうか?

ブランディングとは
ブランドの由来は家畜の識別のために「焼き印を押す(brand)」ことで、「ブランド」とは簡単に言えばある商品を別の(類似した)商品から区別するための一連の要素です。
商品のデザインやシンボルマーク、商標、名称、キャッチフレーズ、記号など、様々な要素が組み合わさってブランドを形作ります。
そして、そのような「ブランド」を消費者に認知させ、市場における自社(商品)のポジションを明確化するのが「ブランディング」という活動です。
分かりやすく言うと、「〇〇といえばあの商品」「このシンボルマークはあのサービス」といった意識をターゲット市場に浸透させるのがブランディングという活動の目的です。

ブランディングを行わないとどうなるか
企業はブランディングによって、消費者や社会からの信頼を勝ち得て、それを自分たちが求める経営資源(ヒト、モノ、カネ)を獲得するための有効な武器とします。
しかし、ブランディングを行わないと、市場のシェアが低下し、価格競争に陥り、自社のコスト負担が増え、利益が低下してしまいます。そのため、経費の予算は削減され、さらにシェアが低下するという負のスパイラルに陥ります。

見出しアイコンあなたの会社のブランディングがうまくいかない理由


ではどの企業もブランディングを成功させているかというと、なかなかうまくできていないところも多く見受けられます。
誰に、何を、どの様に伝えるかをしっかりと計画できているかどうかに問題があります。

ゴールは、ターゲットから企業が望む認知をしてもらうこと
自社のブランドの魅力を一番感じてくれる人、自社のブランドをアピールしたい人をターゲットとして明確につかむことから始めます。
そして、ターゲットが皆同じように企業が望むイメージを持ってもらうために、他のブランドとの差別化を認知してもらうことがゴールです。
そのためには、企業が望む内容をしっかりと整理して伝えることが大切なのです。

お金がなくても、あきらめるのはまだ早い
以上のことからも、ターゲットに認知してもらうために、様々な情報発信を行うことが必要になります。
しかし中小企業の中では、うちは情報発信にお金をかけるほど余裕がなく無理と思われているところが多いのではないでしょうか。
大丈夫です。現在は中小企業でも十分ブランディングに取り組むことが可能になっています。

見出しアイコン中小企業ができる効果的なブランディング


まずは、世の中の変化、ターゲットのお客様の行動の変化を理解した上で対応を考えましょう。

購買行動が変化してきている
昔から消費者の購買行動は、「認知→興味→欲求→記憶→購買」という流れでなされてきましたが、近年この流れが、「認知→興味→検索→購買→情報共有」へ変わり、さらに最近では、この流れに加えて、「起動→興味→共有発信→需要共鳴→拡散」という動きが加わっています。
購買行動は、マスメディアの時代、インターネットの時代、そして現在はスマホ、SNSによる個人情報発信の時代という流れのなかで変化してきました。

現在はターゲットが自発的に会社の魅力をSNSで発信してくれる
現代では個人情報発信の場であるSNSに自社ブランドをしっかりと登場させる必要があるということを理解しなければいけません。
ターゲットが自発的に企業や商品の魅力を発信してくれる場に登場させるための努力、活動が求められています。
SNSを活用したブランディング以外にも次のような手法があります。

一発逆転! メディアを使ったPR
「お金がないなら頭を使え!」
私が支援する企業によく伝えている言葉です。
広告と違ってPRはお金がかかりません。メディアから取材に来て頂いて自社のブランドを広めてくれる嬉しい手法です。

コスパ重視のネットを利用した広告
昔はマスメディア(TV、新聞、雑誌など)に掲載される広告が主流でコストも高額でした。しかし最近はインターネットの普及で、より簡単にターゲットにリーチでき、コストも安い広告手法が出てきています。

見出しアイコン中小企業ができるブランディング術


では中小企業は具体的に何をやっていけば良いのでしょうか。既に紹介した効果的なブランディング手法をもう少し詳しく見ていきます。

SNSを利用した情報発信
先にも述べたように、ターゲットである消費者が自ら情報を発信してくれる場であるSNSに自社ブランドを登場させることを考えた方が良いでしょう。
自社でアカウントをつくってコツコツ発信する方法もありますが、その手間や人件費を考えると、もっと効率的に展開することに目を向けた方が良いでしょう。
SNS広告(Facebook広告、Instagram広告、LINE広告など)は手頃な価格からスタートでき、様子を見ながら出稿量を増やしていけば良いので試してみる価値のある手法といえます。

ニュースリリースでメディアの心をつかむ
PRの難しいところは自分の思う通りに告知をしてもらえないところです。
そのため積極的なPRを進めるためには、ニュースリリースを作成して、TV局や新聞社、雑誌社の編集部や制作部に送ります。
彼らが内容を見て心を動かされるリリース作りが必要です。
ポイントはメディアが読んで心を動かされる内容であること。
特に、冒頭の3行を魅力的に考えてみてください。
その後を読み進めたいと思わせる感動的な表現が求められます。
内容のポイントは3つ。①これまでに出ていない話題である新規性、②世の中で話題、問題になっていることに関わる社会性、③応援してあげたいと思わせる共感性、この3つポイントに留意しながらニュースリリースを作成します。

コスパ重視のネットを利用した広告
ネット広告として一般的な手法には、リスティング広告、アフェリエイト広告があります。この2つは広告手法としておすすめです。
なぜなら求めるターゲットに対してリーチができて、ターゲットがクリックしたときに課金されるということからコストパフォーマンスが良いからです。

見出しアイコン中小企業におけるブランドづくりのキーポイント

競争激化の現代で、自社ブランドを選んでもらうことが、売り上げ拡大の大きな要素となっています。
ブランディングはマーケティング上欠かせない活動です。
そのためには、ブランド戦略をしっかりと構築することが必要です。

①ターゲットを明確にすること
②ブランドとしてイメージしてほしいことは何かを明らかにすること
③ターゲットに確実に認知してもらえる活動を実施すること


上記を考えながら、自社ブランドについてじっくりと考えてみてください。

専門家紹介


楠田 清敏さん画像

FML(フードマーケティングラボ)

主催代表

楠田 清敏

専門分野

□ マーケティング

自己紹介

大手食品メーカー等のマーケティングに従事し、これまでに「六甲のおいしい水」「発芽米」「ファンケルサプリメント」などの世の中で初めて登場する商品を数々ヒットさせてきました。
食品を中心に健康食品や化粧品、その他あらゆる消費財などに関わるの製造業、流通業、小売業のマーケティング、ブランディングなどの企業支援経験、実績があります。

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