経営企画・戦略立案

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2020/4/2

社員が主体性のない指示待ち人間になってしまう原因と効果的マネジメント法

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多くの中小企業経営者の悩みとして、 “社員が指示待ち人間ばかりだ”、“なかなか主体性を持って行動してくれない”という話をよく耳にします。社員が指示待ちになってしまった理由について、また社員の主体性を引き出すためにはどのようなマネジメントが必要なのか、考えてみましょう。
今回は社員の主体性についてよくある質問に、企業経営のスペシャリストであるドリームサポート株式会社代表取締役 中村豊氏がお答えします。

中小企業からのよくある質問

社員が指示待ちになってしまい、なかなか主体的に動いてくれません。一人ひとりがもっと主体的に動いてもらうために良い方法があれば、教えてください。

この質問に回答する専門家

中村 豊さん画像

ドリームサポート株式会社

代表取締役

中村 豊

テンプル大学MBA取得。日系企業で営業として入社後、欧米外資系で営業マネジメント経験。クノールブレムゼ商用車システムジャパン株式会社では代表取締役としてグローバルNo.1賞受賞。

目次

見出しアイコン社内が主体性のない指示待ち人間ばかり?

経営者の方々からよく耳にするのは、社員に主体性がなく指示待ち人間が多いという嘆きです。
しかし、社員達も最初から指示待ち人間だった訳ではないはずです。もし初めから指示待ち人間であれば、新卒採用面談や中途採用面談で不採用にしています。
採用面談の時には、彼らが活躍してくれる人材だと判断したからこそ採用したはずです。それでは彼らは一体いつから、またどうして指示待ち人間になってしまったのでしょうか?

見出しアイコン指示待ち人間を作り出してしまう環境とは

社員が主体性のない指示待ち人間になってしまった大きな要因として、マネジメント側が管理を強め過ぎてしまったことが考えられます。

目標管理制度で目標から遠ざかる!?
多くの企業では、何らかの形で「目標管理制度」が導入されています。
この制度のそもそもの目的は、個人に自らの業務目標を設定させることで主体性を重んじ、成果が得られるようにすることでした。しかし実際には会社から直接的または間接的に目標を押し付けられ、進捗状況をフォローアップされ、目標未達であれば説明資料を作成させられます。
こうした活動は“やらされ感”が強く、主体的行動ではなくなり、モチベーションもパフォーマンスも低下します。その結果、ますます目標から遠い状況となり、この悪循環から抜け出せなくなります。

目標管理制度の弊害
目標を達成できていない場合、上司から繰り返し目標未達への対応を要求され、時には強く叱責されるでしょう。降格や降給という注意勧告をされることもあるかもしれません。こうなると、社員の意識は目標達成ではなく、どう言い訳するかに注がれるようになります。
また自分が改善案を出しても聞き入れてもらえず、一方的に改善案を押し付けられる場合があります。そうすると、改善案への対応はしながらも、「これで失敗しても上司のせいだ」と考えるようになり、主体的に動くこともなくなってしまいます。 また、仮に上手く行っても、自分で考えた改善案でそうなった訳ではないので、達成感を味わえません。
上司は「やらせる側」、部下は「やらされる側」という構図になると、もはや社員が主体性を作り出せる環境とはいえないのです。

見出しアイコン管理をやめて失敗を奨励しよう

それでは、どうすれば社員の主体性を取り戻せるのでしょうか?
それには経営者を含めたマネジメント側が、失敗を許容する社風を作ることが重要だと考えています。

致命的でない失敗は敢えてやらせる
経営に大きなダメージを与えてしまう失敗は避けなければなりませんので、そこはマネジメント側がきちんと見ておく必要があります。
しかし、致命的な失敗でないことであれば、敢えて社員にやらせてみてはいかがでしょうか。致命的な失敗になりそうでも、取り返しがつかなくなる前にマネジメント側が修正すれば、十分に避けることができるはずです。

失敗からの学習は貴重
社員が主体的に行動した結果で失敗したとなれば、次からは自分で注意するようになります。しかし失敗に対し強く叱責すると、失敗を恐れるようになってしまい、2度とチャレンジしなくなってしまいます。
果敢にチャレンジした失敗であれば、まずはその行為を褒めましょう。同時に何が原因で失敗したのか、次に同じ失敗を繰り返さないためにどうするのか、社員に考えてもらうことで多くを学べる機会となります。
仮に失敗したとしても、非常に有効なOJT(実地教育)の場にしてしまうのです。元々持っていたはずの主体性を潰すのではなく、次に繋がるように伸ばしてあげることが重要なのではないかと思います。

管理なしでも伸びている会社
管理せずに業績を伸ばしている一例として、未来工業株式会社をご紹介しましょう。 未来工業株式会社は電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売を主に行っており、連結売上高は約360億円(2019年3月期)、連結従業員は1,208名(2019年3月20日現在)の会社です。
この会社のユニークなところは、残業ゼロ、有給休暇完全消化、どんなアイデアにも奨励金支給、営業ノルマなし、業績査定がないなど、一般的に行われている支配的な管理をせず、社員の主体性に任せているところです。

そうしたマネジメントスタイルにも関わらず、創業から一度も赤字になったことがありません。また2019年doda転職人気ランキングでは、Google、トヨタ自動車など超有名企業に混じって38位にランキングされています。
これも、管理をしないことで社員の主体性を重要視しているマネジメントスタイルによるものだと思われます。
(参照:「doda転職人気ランキング」URL:https://doda.jp/guide/popular/)
(参照:「未来工業株式会社」ウェブサイトURL:https://www.mirai.co.jp/)


見出しアイコン主体性を伸ばすマネジメント法

経営者やマネジメント側の方々は経験値が高いため、瞬時に的確な判断ができてしまいます。社員や部下の考えが上手く行かないことも、やる前から分かってしまうのが普通です。 そのためどうしても注意したくなるのですが、最初から回答を与えてしまえば主体的に自分で考える習慣は身に付きません。しかし、失敗ばかりでも部下のモチベーションは上がりません。何より成果を出すまでに時間がかかり過ぎてしまいます。では、どう対応すればよいのでしょうか?

コーチングを活用して目標達成スピードを速める
そこで有効なのが「コーチング」です。
上司が部下に意見を押し付けるのではなく、成功へ近づけるようにするためのアドバイスを行います。対話により、社員に主体的に考えてもらうための作業がコーチングです。
コーチングで、社員が間違った方向に行きそうになるのを修正すれば大きな失敗を避けられるようになります。また、正しいと思われる方向に修正することで目標達成に早く辿り着くことも可能になります。
大事なのは「社員が自分で目標を設定した」、問題発生時には「改善案を考えた」と認識させ、自分で達成したという実感を持たせてあげることです。目標達成により自信を付けることで、主体的に動く動機付けになります。

見出しアイコントップダウンとボトムアップのバランス

会社運営としては、大きな方向性はトップダウンでやっていかないと社員のベクトルがバラバラになってしまいます。しかし、目標達成方法までもトップダウンで押し付けて管理すると社員から主体性がなくなってしまいます。経営者にはトップダウンで方向性を示し、個別の目標達成はボトムアップで社員に任せるというバランスが重要です。

失敗をなくし、早く目標を達成させようと、全てをトップダウンでやってしまうような経営者やマネジメント側による行き過ぎた管理は、社員の主体性を失わせてしまい、結果として指示待ち人間を作ってしまいます。
もし社内に指示待ち人間が多いと感じているとしたら、その一因は、経営者やマネジメントにあるのかもしれません。

専門家紹介


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ドリームサポート株式会社

代表取締役

中村 豊

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自己紹介

テンプル大学MBA取得。日系企業で営業として入社後、欧米外資系で営業マネジメント経験。クノールブレムゼ商用車システムジャパン株式会社では代表取締役としてグローバルNo.1賞受賞。

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