外部人材活用

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2020/1/23

中小企業の人手不足問題を解決する!外部人材活用の進め方とコツ

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売り手労働市場状況は今も続いており、中小企業の採用事情は深刻さを増しています。 一方大企業では、有能なシニア人材の活躍の場がなくなり、脱サラしている状況も起きています。中小企業は、この両者をうまくマッチングすることにより低コストで、不足している経験値やスキル等を得ることができます。今回は、中小企業の課題解決を図る外部人材活用方法について、株式会社アンカーJ代表取締役の千葉峰広氏が解説します。

中小企業からのよくある質問

人手不足で慢性的に困っているのですが、なかなか良い人が採用できないため、外部人材活用を考えています。外部人材活用をどのように進めればよいか教えてください。

この質問に回答する専門家

千葉 峰広さん画像

株式会社 アンカーJ

代表取締役

千葉 峰広

成蹊大学法学部を卒業後、大手外資電子部品メーカーに約 27 年勤務の後、2015年起業。人事労務のスペシャリスト。

目次

見出しアイコン人材ポートフォリオを整理してみる

事業活動は、様々な人々の様々な役割によって支えられています。これらを一括りにするのではなく、「人材ポートフォリオ」として整理しておくことをお勧めします。上記図の仕事軸として、縦軸は、「組織を通じて成果を最大化する仕事」と「個人として成果を最大化する仕事」となります。

また、横軸は「決められた業務を正しく効率的に行う仕事(運用)」と「新たな価値を創造したり、現状を変革したりする仕事(変革・創造)」となります。
そして育成期間の長さや調達コスト、ライフスタイルを勘案し、雇用形態を検討していきます。

全てを正社員雇用にする必要はない
オペレーター群は、正社員、パート、アルバイト、派遣社員雇用で、マネージャー・コア群は正社員雇用となっているのは一般的です。
このように、ポートフォリオ全てを正社員雇用する必要がないのは周知の事実です。かつて日本の製造業は、製品の部品から全て自社で賄うことにこだわり、グローバル競争力を失った一因とされています。

スペシャリスト群に外部人材登用を考える
調達コストの高いスペシャリスト群を正社員雇用しようとすると、育成に長期間かかり、その伝承等運用が困難な場面に遭遇します。弁護士事務所やコンサルタント会社にフルアウトソースする手もありますが、相手の言いなりで高コスト構造となる問題も出てきます。
そこで、外部人材(シニア人材)を登用するという選択肢が出てきます。

見出しアイコンシニア人材の外部登用という選択肢

スペシャリスト群を完全自社正社員雇用でやっている会社や、フルアウトソースしてコントロールできていない会社は、何かしらの課題感を抱いていると思います。これをシニア人材側と中小企業側の両側面から見てみましょう。

大企業シニア人材の実態
良い学校に入学し、良い会社に入り、定年退職とともに退職金と年金で第2の人生を謳歌するサラリーマン全盛時代は、残念ながら終わりました。
現状の雇用システムでは、大企業の50代後半社員でも、役職定年等で年下の上司につきます。そして、年金受給年齢まで専門職やスタッフとして働かなければならないのです。

この現実を受け入れられず、多くのシニアはモチベーションが低下し「働かないおじさん・おばさん」になってしまっているのではないでしょうか?
私も、人事部勤務だった54歳の時にこの現実をいやというほど見てきたので、早期退職し、独立開業という道を選びました。

中小企業のスペシャリスト群採用1
一方、中小企業では、このスペシャリスト群の採用ニーズとしてどのような例があるでしょうか?
まず、技術マイスター社員が高齢のため引退する場合です。できれば、このマイスター社員が60歳代のときに、50歳代社員の社内異動、またはシニア外部人材を非正規で雇用し、技術伝承させましょう。この短期サイクルを繰り返し、コア技術の安定化も模索しながら伝承させます。

中小企業のスペシャリスト群採用2
次に、新しい事業分野に進出する場合です。新しい事業分野は、内部リソースでは対応できません。外部からある程度の品質のリソースを低コストで調達するには、シニア人材採用が有効と考えます。

そして次に、企業法務業務や人事制度改定を弁護士事務所や人事コンサルタント会社にフルアウトソースしている場合ですが、この場合、高コスト構造の上、社内リソースに全く知見がないため、相手の言いなりで不満を抱くケースがあります。よって、専門分野の質は多少劣るものの、相手会社との交渉や低コストで調達できるシニア人材が有効と考えます。

見出しアイコンどうすればうまくいく?外部人材活用

それでは、外部人材とのマッチングをうまく活かすために、双方にどんな取り組み姿勢が必要なのでしょうか?直近の私の経験も交えて、お話しいたします。

急成長ベンチャー企業での2年間の所感
2019年7月までの2年間、私は都内のベンチャー企業に人事顧問として週3日勤務、1日6時間の仕事をしてきました。マザーズ上場からあっという間に東証一部上場まで急成長し、社員も30余名からここ3年で100名以上となりました。
一方、社内バックオフィス系はこれについていけていませんでした。そのため、現行人事制度の抜本的見直しをはかり、改訂した制度をリリースし安定運用させることが私のミッションでした。任期満了して、企業側からも感謝され、私自身も充実感があり、良い経験となりました。

仲間意識をもって外部人材を受け入れる社風
ベンチャー企業は、管理職が30歳~40歳代中心であることが多く、経験という財産が不足しています。私の場合も、各部署に顧問という肩書のシニア人材が十数名在籍していました。
そこで最初に驚いたのは、非正規の外部人材にも関わらず、正社員と同様に1週間の中途入社研修に参加させてもらったことでした。これは人事の仕事をする私にとって、各部署の仕事内容を理解し、各部署との管理職との人脈をつくるという意味で、非常に有意義なものでした。 また、毎週の部会議への参加や、課題案件への意見を求められるなど、自分が必要とされることで、モチベーションを上げて仕事に取り組むことができました。

シニア人材を使いこなすスキルの習得
あえてベンチャー企業の改善点をあげるとすれば、若年管理職の「シニア人材を使いこなすスキル」が不足気味だということです。
「年上で経験豊富なシニア人材に気持ちよく働いてもらうスキル」というと難しそうに思えますが、良好な信頼関係を築くことで大概はうまくいくでしょう。教えを乞う態度をもつことや、命令や指示に多少気を遣ってもらうことで、私も会社と良い関係構築ができていたと思います。

シニア人材が自覚すべきこと
大企業しか知らないシニア人材が中小企業に来ると、上から目線で接したり、自分と関連のない仕事を拒否することがよくあります。
私も独立起業当時はその傾向があったと反省しています。大企業には階層別研修プログラムがありますが、中小企業にはそのような余裕はありません。それにより「その年でそんなことも知らないのか?」といった言動で信頼関係を損なうケースが多々あるのです。

また、中小企業は1人何役もこなすのが当たり前です。「私は人事の仕事はするが、総務や経理の仕事はやらない。」といった言動も、同様に信頼関係を損ないます。
大企業時代の延長で部課長のような役割を演じていてはいけません。若き管理職の相談に乗ってあげるメンターとなり、専門外であっても困ってることは進んで手伝ってあげてもらいたいものです。
少々古い話となりますが、イメージとしては「踊る大捜査線」で織田裕二を助けるいかりや長介のような存在です。

見出しアイコン信頼関係が築ける有能なシニア人材に出会うために

モチベーションが下がり不満を抱えながらも大企業に残るシニア人材がいる一方、収入面よりも「自分を必要としてくれる環境」を求めている有能なシニア人材もいます。
とシニア人材双方の努力のもと、シニア人材はやりがいをもって仕事をし、貴社は経営課題が解決できるマッチングが1組でも多く成立することを願っています。

専門家紹介


千葉 峰広さん画像

株式会社 アンカーJ

代表取締役

千葉 峰広

専門分野

□ 人事・評価・賃金制度の設計と運用

□ 退職金制度(確定給付・確定拠出企業年金・中退共運営)

□ 規定制定・改定(就業規則、転勤・役員規・祝無分掌規程等)

□ 各種監査対応(SOX、ISMS、OHSAS、EICC、税務調査、労基臨検)

自己紹介

成蹊大学法学部を卒業後、大手外資電子部品メーカー日本モレックス株式会社(資本金 120 億円 従業員約 2,000 名)で約 27 年間人事部勤務。人事労務を中心に賃金制度、人事評価制度、退職金制度(確定給付年金)等の企画・施行に携わり、大手電子部品企業の人事部とも広く深い人脈がある。
2015年これまでの知識・経験を活かして、地域の人と企業が元気になれる事業を志して起業。1960年生まれ 藤沢市在住

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